企業型確定拠出年金の特徴
企業型確定拠出年金は、毎月の給料のうち従業員の年金口座に積み立てをして従業員が運用することができる年金制度です。
従業員が毎月の掛け金と、運用先を決めることができます。ほかの企業年金がある人は月額最高2万7500円、無い人は5万5000円が上限です。運用先には定期預金だけでなく、各種投資信託や保険などもあり運用の種類にも「ローリスクローリターン」から「ハイリスクハイリターン」まで様々です。一般的に運用を長期間行えば行うほど利率が上がってくるため、興味がある方は早めの入会が最も効果があります。また毎年の確定申告や各種控除の対象に該当しているため、節税という点からも魅力的な内容となっています。デメリットとしてはあくまで年金を運用するため、損がでるリスクもあるという点には注意しましょう。
確定拠出年金はリスクとリターンのバランスを考えたうえで選ぶことで、トータルでは通常の年金制度よりも高い利率が望める制度です。専門の担当者と相談するなど、吟味することをおすすめします。
「確定拠出年金」と「退職金」の違い
日本の多くの企業はこれまで、「退職金制度」のみを長年適用してきました。一方で、景気や運用の成果の悪化により、従来の制度だけでは十分に老後の生活保障の役割が担えていないことが問題視されていました。そのような状況を踏まえて、従業員それぞれの自助努力による資産形成の手段として近年「確定拠出年金」を採用する企業が増えています。
なお、確定拠出年金も退職金も、老後の生活保障に役立てることを目的に将来的にお金を受け取れる制度である点は共通です。ただ、その両者にはさまざまな違いがあります。
たとえば、前者は60歳以降に一時金または年金の形でお金がもらえる一方で、後者は会社を退職するときにまとまった額のお金をいっぺんに受け取る形になることが多いです。また、確定拠出年金は拠出額と運用実績の元利合計によってその支給額が変化することに加えて、転職先に資産をそのまま持ち運ぶことができるポータビリティー性を備えているという特徴があります。